多肉植物の夏の常識が変わった? 今の気候に合わせた水管理の考え方
2026/07/24
「多肉植物の夏の管理として、完全に水やりをストップする(断水する)」という内容を
、園芸書やネットの情報などで目にすることがあります。
育てている子たちを大切に想うからこそ、その情報を信じて、夏の間は水を与えない完全断水の実践を選ばれている方もおられると思います。
しかし、実は今の日本の気候のなかでその方法をそのまま続けてしまうと、かえって株を傷めてしまう原因になることがあります。
今回は、かつての常識がなぜ今の環境に合わなくなってきているのか、そして今の夏を元気に過ごさせてあげるための新しい水管理の考え方についてお話しします。
なぜ夏の完全断水が今の環境に合わなくなってきたのか?
かつて多肉植物の夏越しとして一般的だった「完全断水」という方法は、今よりも夏の気温が全体的に低く、夜になればある程度涼しくなっていた時代の環境を基準に作られたものでした。
しかし、近年の日本の夏は気候が大きく変化しています。連日のように最高気温が35℃を超える猛暑日が続き、夜になっても気温が高い熱帯夜が増えたことで、植物を取り巻く環境は昔に比べて過酷になっています。このように栽培環境そのものが激変したため、過去の基準をそのまま当てはめることが難しくなってきているのです。
完全断水による、根への影響とリスク
近年の厳しい暑さのなかでは、強い日差しや外気温によって鉢の中の温度がどうしても上がってしまいます。そこに完全断水を重ねると、鉢の中の温度が下がる機会を失って上昇し続けてしまい、根が熱のダメージを受けます。この現象を「高温障害」と言います。そのため現在の夏越しにおいては、この高温障害を避けるために適度な水やりを行うという考え方が新しい主流となっています。
また、完全断水によるもう一つのリスクが土の中の根が完全に枯れて消滅してしまうことです。長期間まったく水を与えないことで、植物が命をつなぐために必要な最低限の水分まで失われてしまうためです。一度根が消滅してしまうと、秋になって涼しくなり水やりを再開しても、水分を吸い上げることができずにそのまま枯れてしまうことがあります。よかれと思って行う完全断水が、かえって株を傷める原因になってしまうのです。
今の気候に合わせた、具体的な夏の水管理
ル
今の厳しい夏を過ごすためには、完全に水を絶つのではなく、気候に合わせた水やりの工夫が必要です。
具体的には、一日のうちで最も気温が下がる夕方から夜間の時間帯を選び、鉢底から水が抜けるくらいたっぷりと与えます。たっぷりの水を与えることで、日中に鉢の中に蓄積した熱を水と一緒に一気におし流し、土の中を物理的に冷やして高温障害を防ぐことができます。目安としては、週に1回、土の乾き具合を確認しながら与えてください。
また、水やりと同じくらい重要なのが風通しです。
置き場所には風通しのよい所を選び、少し高さをつけるなど、株の周りの空気が停滞しない環境を作ることが、今の時代の夏越しには大切なポイントです。
ぜひ今回の内容を参考に、それぞれの環境に合わせた水やりの調整をしてあげてくださいね。
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