個性的な葉の形が魅力、フォーカリアの育て方
2025/10/18
葉のふちを飾る小さな突起(ノギ)を持つ品種が多い、個性派の多肉植物、「フォーカリア(Faucaria)」をご紹介します。そのユニークな姿は、海外では「Tiger Jaws(虎の顎)」といった愛称で呼ばれています。
一見、変わった見た目をしていますが、この個性的な葉の間から、秋から冬にかけて咲く鮮やかな黄色や白のキクのような花もまた魅力的です。この花が咲くことで、生育期が来たことを教えてくれるサインにもなりますよ。
フォーカリアは育てやすい多肉植物ですが、その特徴を理解して適切なケアをすることが、元気に大きく育てるための鍵となります。
置き場所:日当たりと風通しが最重要
フォーカリアを健康に育てるには、日当たりと風通しのいい場所を選ぶことが最も重要です。花を咲かせるためにも、日光は欠かせません。
季節ごとの管理
* 春と秋(生育期):屋外の直射日光が十分に当たる場所で管理します。この時期にしっかり光を浴びせることで、葉が締まり、病害虫に強い丈夫な株になり、花つきもよくなります。品種によっては、夜間の冷え込み(寒暖差)を感じさせることで、葉の色が濃くなったり、ノギ(突起)がきれいに紅葉したりします。
* 夏(休眠期):強い日差しは葉焼けの原因になります。真夏は、半日陰や遮光した風通しのいい場所に移動させましょう。特に西日は避けてください。
* 冬(生育期):寒さには比較的強いですが、霜に当たると傷んでしまいます。そのため、冬は室内の日当たりのいい窓辺などに移して管理するのが安全です。暖房が入っていない場所でも大丈夫ですが、最低気温が5℃を下回らないように管理するのがおすすめです。急激な温度変化や、窓際での夜間の冷え込みすぎには注意しましょう。
水やりと生育サイクル:冬型が基本、例外も
フォーカリアは、メセンの仲間(南アフリカ原産)で、ほとんどの品種が涼しい時期に育つ「冬型」に分類されます。そのため、乾燥に強い多肉植物として、水やりの頻度は季節によって大きく変える必要があります。
季節ごとの水やり方法
* 春と秋(生育期):土が完全に乾いてから、鉢底の穴から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。花が咲いている時期も、土が乾いたらしっかりと水を与えましょう。
* 夏(休眠期):高温多湿が苦手なため、生長が緩やかになり半休眠状態に入ります。水やりは極力控え、月に一度、夕方に土の表面を軽く湿らせる程度の「断水気味」の管理をします。
* 冬(生育期):生長しますが、気温が低いため土の乾きが遅くなります。水やりの回数を減らし、月に1~2回程度、天気のいい午前中に与えます。凍結の恐れがある日は、絶対に水やりをしないように注意してください。
ごく一部にある「夏型品種」について
ほとんどのフォーカリアは「冬型」ですが、稀に流通する「フーレアエ」のように、夏型とされる品種も存在します。夏型の場合は、通常のフォーカリアとは水やりのタイミングが逆になり、夏に生育が旺盛になるため、夏に多めに水を与え、冬に断水気味に管理する必要があります。品種名がはっきりしない場合は、お店で確認するようにしましょう。
用土と肥料:水はけの良さを重視
用土
多肉植物全般に言えますが、フォーカリアは特に水はけのいい土を好みます。市販の多肉植物用の土で十分に育ちます。自作する場合は、鹿沼土や軽石、赤玉土などを多めに配合し、通気性を確保してください。水はけが悪いと根腐れを招きやすいので注意が必要です。
肥料
基本的に肥料はあまり必要ありません。植え替えの際に、緩効性の化成肥料をごく少量混ぜ込むか、春や秋の生育期に薄めの液体肥料を月に一度程度与える程度で十分です。特に開花前の秋に少量の肥料を与えると、花を咲かせる助けになります。肥料が多すぎると徒長(ひょろひょろと伸びること)の原因になります。
植え替えと増やし方
植え替え
生育が旺盛なため、鉢の底から根が出てきたり、水を与えてもすぐに乾くようになったら、一回り大きな鉢に2~3年に一度を目安に植え替えます。適期は春か秋の生育期です。植え替え直後の水やりは避け、数日経ってから少量与えるようにしてください。フォーカリアの根は細く弱いので、植え替えは慎重に行いましょう。
増やし方
主に「株分け」で増やします。子株ができてきたら、植え替えの際に親株から優しく切り離し、切り口を乾燥させてから新しい土に植え付けます。
病害虫対策
多肉植物の天敵であるカイガラムシやアブラムシがつくことがあります。風通しが悪いと発生しやすいので、置き場所に気を配りましょう。もし見つけたら、歯ブラシなどで取り除くか、薬剤を使って駆除します。
フォーカリアは、水やりと日当たりに注意すれば、初心者でも長く楽しむことができる魅力的な多肉植物です。あの独特な「顎」を思わせる個性的な葉と、そこから咲く美しい花を観察しながら、ぜひ育ててみてくださいね。
----------------------------------------------------------------------
COCORO
大阪府藤井寺市岡1丁目
電話番号 : 090-5672-2583
大阪で選ぶ様々な多肉植物
----------------------------------------------------------------------